| 4.1.1だけに登場する「責務」は、品質方針と品質目標に絡むことはこの項目だけにあることでも明らかである。英文では、its commitmentである。itsのitは、The suppliers management であるが、問題は、commitmentの意味である。翻訳は「責務」としているが、明確な訳でない。審査員の中には、これを責任と読み違え、「経営者は自社の品質全体に最終責任を持つ。」という文章を品質マニュアルに入れさせることがある。しかし、それは実行不可能な精神論である。わざわざ、4.1で「経営者の責任」ということで、明確に限定している意味がない。 |
| commitには、「公約する」「約束する」という意味もある。責務よりもこの方が理解しやすい。 |
| 外国のある品質マニュアルサンプルを見たが「すべての責任は最終的に経営者にある」という文章がないので、外国の審査員に聞いたら「サインがそれを示している。」という回答であった。そして、彼は「枝葉の文章のことより、サインした文章を、経営者が自分の仕事として書いたかが問題だ。よく部下に優等生的な文章を書かせて、自分はサインだけという経営者がいる。それこそ監査上問題だ。」といった。その通りである。 |
| そう思って、あるときドキュメンタリーのテレビを見ていたら、ベトナム戦争でジョンソン大統領がベトナム戦争に関する演説でcommitmentto the warといっているのを、字幕が「戦争に対する決意」と訳していた。これで外国の監査員のいう意味が理解でき、commitmentの意味が明確になった気がした。すなわち、品質方針、品質目標という品質に関する「決意」を明確にするという意味で、したがって、経営者のサインが必要とされることになる。 |
| ISO/TC176「中小企業ためのISO9000」では、次のように「責務」について解説している。「経営者の品質への責務は、有形のものであり、活発であるのがよい。例えば、品質方針書に会社のオーナーが署名したものを公表し掲示すれば、従業員と顧客の双方に責務を確認することになる。」 |
| この責務を「決意表明」と置き換えると「経営者の品質への決意表明は、有形のものであり、活発であるのがよい。例えば、品質方針書に会社のオーナーが署名したものを公表し掲示すれば、従業員と顧客の双方に決意表明を確認することになる。」と理解しやすくなる。 |