?検査手順書の目的・適用範囲
 ISO9001の準備で、製品ごとに検査手順書を作っているのですが、様式を統一して、目的・適用範囲を最初に書いて、次に具体的な検査手順を書くようにしています。
 しかし、検査の目的は、製品が異なっても、正しく合否を判定することであり、適用範囲は文書のタイトルに品名、品番を明記してあるので明確で、同じことを繰返し書くので煩雑になりました。
 これは、同様に作業標準も同じで、目的は図面通りのものを作ることにあるし、適用範囲は、工程がタイトルに明示されているので、明確です。
 これも繰返し書くだけで煩雑な気がします。
 このような様式は意味がないと思いますが。
1・2つの文書体系
 企業の文書は、ISO9000シリーズ以前から、2つの分類があった。
 TQC用語辞典によると、技術的標準とは「材料・部品・製品・設備・工具等物品について、その種類・形状・寸法・構造・成分・性能・表示等の仕様を定めた規格や、物品の設計方法・製造方法(作業条件、作業手順、作業方法等)・管理方法・試験方法・検査方法・包装方法等を定めた標準を包括してさす。」とある。
 また、管理標準とは、「企業活動のすべての部門の業務を処理するに当り、組織と職務分掌を定め、業務の処理方法、手順、手続き、責任、権限、義務、様式等を定めたもの。業務処理にさいして遵守しなければならない規則の総称で、企業運営を組織化し、その活動を各階層の管理下に置くために必要な標準である。」とある。
 この技術的標準を「規格」といい、管理標準を「規定」ということが多い。規定はTQC用語辞典で「業務の内容・手順・手続き・方法に関する事項について定めたもので、業務のための標準である。」としている。
2・管理標準
 ISO8402:1994の3.6項では、品質システムの定義があり、それは、品質管理を実行するシステムであるとしている。その意味で品質システムは管理活動を行うシステムである。
 ISO9001「4.2 品質システム」の参考9には、ISO10013
 そして、そこでは、代表的な文書様式の例が示してあり、「目的」、「適用範囲」、「主管部門」などの項目が示してある。しかし、これは管理的な手順の場合である。
3・技術的標準
 これは、企業別に内容が異なる文書である。この文書の下位分類としては、さらに、設計方法の規格、製品に関する規格、作り方(製造方法)の規格がある。製造方法には、さらに、下位分類として加工方法、検査方法、運搬方法、保管方法などがある。
 質問にあるのはこの文書である。これは「どのように」の文書であって、管理標準のような「誰が、何時、何を」という目的や適用範囲は様式として不要である。目的は、例えば「購入検査は、不適合品を次に移動しないように検査課が検査方法に基づいて行う。」と管理規定に示してあり、適用範囲は、検査方法であれば、品名、品番であり、作業標準であれば工程名、作業名である。
 これらは文書のヘッドにあるので、技術的標準には、特にそれに加えて、目的、適用範囲は不要である。
 目的、適用範囲を技術標準に含めること自体、「規格」と「規定」の混同を示しており、技術的標準の個別化、管理標準の普遍化というISO9000シリーズの基本的な特質を理解していないと言える。それは、また、無駄な文書を生むことになる。