?製品特性の監視と検査の違い
 当工場では機械の自動加工が中心なので、作業者は多台持ちで、いくつかの機械を監視しています。そして、ときどき流れている品物を検査して、記録をとっていますが、ISO9001の「4.10.3 工程内検査・試験」では、「必要な報告書を受領し検証するまでは製品を保留すること」とあり、「4.10.5 検査試験の記録」では、「記録には次の工程への引渡し又は製品を許可する検査責任者を明確にしておくこと」とあります。この検査結果が承認されるまでは、例外以外は、次工程に移動してはならないとしています。
 そうなると、これは検査として扱うことができないのでしょうか。
 また、1日のスタートのときに初物検査をします。これも工程内検査として扱うべきでしょうか。
 また、機械工場では、検査員が巡回して加工中の仕掛品をチェックしています。予防的な目的が中心です。工程内検査として扱うべきですか。
1・規格値とは
 ISO9001の4.2.3「品質計画」のg)で「主観的な要素を含めて、すべての特徴及び要求事項に対する合否判定基準を明確にする。」とある。また、4.4.5「設計からのアウトプット」のb)で、「合否判定基準を含むかまたは引用している」とある。これらは、品物(材料、部品、仕掛品、製品)の合否の判定基準の明確化を要求したものである。品物はバラツキがあるので、通常、寸法、重量、容量、性能などは公差で示す。これを外れると、不適合品(不合格品や不良品)として判定される。この公差の値を「規格値」という。これが検査で用いられ、良否が判定される。
2・製品特性の監視
 ISO9001 4.9「工程管理」のd)の「適切な工程パラメーター及び製品特性の監視、並びにこれらの管理」では、製品特性の監視と管理が示されている。製品特性を監視、管理とは、品物をチェックするので、検査をしているのではない。加工状態を製品品質(この場合の製品は、工程中のものも含む)を監視して、不良を発生しないようにする目的である。また、「初物検査」といって、設備や作業の準備状態を試しの加工を行い、その品質特性を確認して、良品であると作業を開始する。これも4.10の検査でなく、予防的な意味の製品品質確認である。
3・管理値とは
 その他、巡回検査など、製品品質の確認をして不良発生を予防するための行為を管理検査ということがある。この場合、規格より厳しい値で判定をすることがある。