?教育と訓練の違い
 ISO9001の4.18では、教育・訓練とありますが、もとの英語は、trainingで、教育に当たるeducationがないのですが。具体的に、
 トヨタ方式では、教育と訓練を区分しており、教育は新しい一般的な知識を得ることであり、訓練は、定められた仕事の内容を繰り返して、身に付けることであるとしていますが、この考えは、ISO9000シリーズにも適用できるのでしょうか。また、訓練とは、どの程度の範囲までを含むのでしょうか。
 たとえば、4.1.2.2「経営資源」で、「供給者は、管理、業務の実行及び内部品質監査を含む検証活動に対して訓練された要員の割当てーーー」とあります。これなどは、明らかに、訓練を必要とする内容を規定しています。
 また、4.9の特殊工程でも、訓練を要求しています。これは、どのような訓練を要求しているのでしょうか。
1・教育とトレーニングの違い
 4.18の元の英語はtrainingなので、確かに、教育とは違う。
 この翻訳の教育の方に重点を置いて、4.18についての手順書(教育・訓練管理規定)を作成したある企業があったが、ほとんど、外部の講習会のリストアップの内容であった。この企業は従来から、教育熱心であったので、これらの講習会のリストアップは容易にできた。しかし、これは、4.18で要求している内容とは基本的に異なる。
 確かに、教育は、企業の上級管理者に対しては必要であるが、圧倒的に量的に要求されているのはトレーニングに関するものである。
 この点、トヨタ生産方式で、トレーニングと教育を区別している考えは参考になる。ISO9000シリーズでも要求しているのは、主に、トレ−ニングの方である。あるいは、よく、OJT(On The Job Training)といわれるものが中心となる。
 また、これらの訓練については、適切な記録を残すことが、4.18で要求されている。
 したがって、従来、ツーカーで行ってきた現場の訓練とは異なった体制を要求されていると考えるべきである。
2・トレーニングの分類
 ISO9001/2/3では、文書が中心のシステムであるから、訓練には文書を用いることになる。したがって、技術文書、管理文書などの文書分類を参考にして、骨格を作ることになる。
 まず、技術文書を作成する設計技術者のトレーニングである。これは、4.4.2「設計及び開発の計画」で、「適切な手段を与えられた有資格者に割り当てること。」という要求に関係する。 次にこれらの技術文書を使用する加工者、検査員、運搬者、保管者の訓練である。この際、これらの技術文書が基本的に訓練テキストとなる。
 管理文書のほうは、各管理規定の訓練で、これは管理階層ごとに担当する規定は訓練を受けることになる。内部品質監査員もこれに含まれる。