?全品目にQC工程表は必要か
 当社では、月数百件のオーダーをこなす多品種少量の生産をしています。そのため、生産管理にコンピュータを早期に導入しています。MRPで、工程の負荷や山崩しなども導入して、作業指示票もプリントされ、これが中心で工程管理が定着しています。この中心となるのは、「工程表」です。これがないと作業指示がされないので、きちんとメンテされています。
 今回、ISO9001を取得をするのですが、品質計画書として、品質保証部とコンサルタントがQC工程表を新規に作成するため、資料の提出要求がありました。しかし、このコンピュータの「工程表」で納期、数量とともに品質を指示をしているので、これが品質計画書であると思いますが。
 別にQC工程表と作成すると、その作成・変更のメンテのコストが増大します。
1.品質計画書の機能
 ISO9000シリーズのISO10005とは、品質計画書のガイドラインである。ここでは、品質計画書の作成は、従来の文書に新に追加するものでなく、既存のものを使うか、一部の追加でよいとしている。ISO9000を受審するために特に必要としないことが多い。特に、オーダーごとに工程順とその各工程の機械の指定、検査工程の指示などを示した工程表があれば、十分に品質計画書の機能を満足する。工程表が現場に現物とともに流れる方式もあるし、これをコンピュータ・マスターとして、作業指示票、検査指示票、運搬指示票、現品票が発行される方式もある。
 作業指示票には、機械の指定、参照される作業標準番号が指定される。
 検査指示票には、品番があるし、それによって配付されている図面や検査手順書が索引され、正確な検査が行なわれる。
 運搬票には、移動先、収容箱、取扱い方法が指示される。現品票は製品を識別する。
 これらによってISO9001の4.8、4.9、4.10、4.15などのの要求を満たすことができる。
2.QC工程表との関係上の問題点
 生産管理で使用している工程表を利用せず、独立してQC工程表を導入すると、
(1) QC工程表作成要員の増加
 現実に、生産現場は工程表で動いているので、それに関連する要員はいるが、
(2) 改訂の遅れ
 現実の生産活動は、工程表で指示されているので、工程表は変更があれば迅速に改訂され、変更されてから、指示書などが発行される。
 しかし、QC工程表のほうは、改訂が遅れても、直接、生産活動に影響を与えないので、改訂が遅れやすい。常に、現場の実態より、遅れて改訂が行なわれるという矛盾が発生し、現場と合わないというシステムの不適合指摘となる。
(3) 改訂のコストの増加
 改訂遅れを指摘されると、これに専任者を設置して改訂にあたらせることがある。これもコストアップとなる。
3・問題の根本原因
 このような無駄を生む原因は、ISO9000のをシステムしてとらえ、生産システムや生産管理システムなどの総合的な関連で見る能力が不足しているからであろう。
 2000年改訂では、生産システムの全体把握の重要性がさらに強調されるであろう。品質保証部の革新的な発想転換が要求される。