?工程設計のアウトプット
 当社は、ターレットパンチなどを使う多品種少量生産を行う機械工場です。注文は顧客から図面で来ます。新製品は多いのでが、機械や型はその都度、購入するのでなく、同じものを繰返し使います。組み合わせが異なるだけです。したがって、作業手順書は、機械の共通的なものと、個々の製品の特徴的な部分とに分かれるので、共通的な部分は、機械別に手順書を作りました。
 品番別は新製品ごとに作り工程表に文書名を引用するだけにしました。この機械別の手順書は工程設計が作るので、工程設計のアウトプットとしました。
 ところが、審査員は、工程設計は設計であると言いながら、この共通手順書は設計アウトプットでないと指摘しました。そして、ある新製品の工程表の承認日が、引用されている機械の手順書より後であるので、不適合としました。
 この審査員はプラント設計経験が長く、部品メーカーははじめてだということでした。
1・個別生産型と繰返し生産型の設計の違い
 純粋の個別生産型の設計は、その都度、全部の設計を新たに行う。
 極端な場合、組織も変わり、品質マニュアルもプラントごとに作る必要がある場合もある。
 しかし、設計が繰返し生産型になると、新製品と言っても、中味は、従来品の設計を引用することが多い。
 例えば、自動車でも、新車が設計されても、その約2万点の部品が全部、新部品ではない。むしろ、従来の部品のほうの比率が高い。
 しかし、それは、新車の重要な構成部品となっている。その部品の部品図は、その新車より当然、前に存在するから、新車全体の組立図の承認日より、前である。それが矛盾すると言うのは、繰返し型の設計の特徴を知らないで、審査を自分の経験で行うからであろう。
 審査員が業種別になっているのも公平な審査を行うためであるが、この場合はそれが守られていなかったようである。
 繰返し生産型の製品を構成する部品は、むしろ、できるだけ、部品は共通化して、コストダウンをはかるので、このケースは多い。
 このように、製品設計は、工程設計に比較すると、新製品ごとの設計アウトプットは多いが、それでも、共通部品がある。これは、新製品より設計承認は、先である。それは何も矛盾ではない。
2・工程設計の共通性
 製品設計でなく、実際の作業の工程設計になると、さらに共通性が高くなる。
 個別生産である建設工事なども、その工程設計になると、ビルごとの建築設計は異なるが、作業の中味はほとんど共通である。組み合わせや場所が異なるだけある。
 昨年、12月に、ある電気工事の小企業が、ISO9001を取得したが、いろいろな工事の注文がきても、工程の作業は同じで、組み合わせやタイミングが異なるだけであった。したがって、手順書は官庁の「電気工事共通仕様書」の引用でカバーでき、手順書の作成の手間がほとんどかからなかった。官庁のほうも、「共通仕様書」を発行するくらいだから、共通性を十分に知っているのである。
 これは、石油プラントなどのように個別性が強い場合も同じで、製品設計では、
 工程設計を総論として設計として扱いながら、その経験がないので、プラント型製品設計の型を押しつけたのであろう。