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どのようにして、マネジメントシステムという抽象概念が生まれ、育ったのか? |
1. バベッジが、気がついたこと
人類は、何時ごろから、マネジメントの共通性に着目したのであろうか。
すでに、18世紀には、アダム・スミスが有名な「国富論」で分業の成果を説いている。それは、一企業だけでなく、国も分業が効率的であるとしている。
バベッジは1800年代のイギリス・ロンドン大学教授である。機械計算機の開発によりコンピュータの歴史では有名な人物である。
彼は機械計算機の部品をイギリスやヨーロッパ大陸の部品メーカーに発注し、かつ、フォローにまわった。そのときに、業種にかかわらず、優秀な企業は、固有のそれぞれの加工技術以外に管理面で共通して面に気がついた。すなわち、個々の企業の加工技術は異なるが、企業効率を高める共通的なものが存在することを発見した。
彼はそれを体系化できなかったが、それについて「機械製造業の経済について」という本を1832年に発行している。バベッジが、気がついた共通面が、20世紀になってから花を開いたマネジメント活動である。
すなわち、ある企業をマネジメントという共通面から見るという分離が具体的に始まった。
2.テイラーの科学的管理法
その後を受け、このマネジメント面での共通部分を最初に体系したのが、19世紀の後半から20世紀初頭にかけて活躍したアメリカのテイラーである。彼の手法体系は「科学的マネジメント」と言われている。
こうして、その後、多くのマネジメントに関する技術が生まれ、その専門家も生まれ、業種を飛び越えて、指導が行われた。この体系をIE(Industrial
Engineering 経営工学)という。トヨタ生産方式や品質工学はその1つである。
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企業は頭の中では大きく、マネジメントシステムとコアシステムに分かれた。 |
バベッジが気がついた会社に共通した部分はマネジメントでありが、残った側面は、その会社固有のものである。これは、会社を特徴付けている中核(コア)となる部分なので、これをコアシステムという。この概念図が図5である。

コアシステムは、個別性を高める方向に進む。技術でライバルに負けてはならないからだ。
しかし、個々の企業活動で、こ2つは、どこかに明確に線引きがあるわけではない。一体である。したがって、この分離は、われわれの頭の中の区分である。概念区分である。これが、マネジメントシステムの特徴がすぐにピンと来ない原因である。
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コアシステムを支援し、補完するのがマネジメントシステムの本来の役割である |
サッカーや野球は、選手がいれば、監督がいなくてもできる。オーケストラは、指揮者がいなくても演奏者がいればできる。しかし、監督なしのスポーツでは選手がばらばらになり、プロでは負けることがおおくなるだろうし、オーケストラは、指揮者なしでは演奏がばらばらになり、聞くに堪えないものになる可能性が高いであろう。そこでマネジメントの登場である。
このコアシステムとマネジメントシステムの関係について、ISO9001では、次のように述べている。
1.「ISO9000ー1:1994:ISO9000規格の使用と選択のガイドライン」
この「4.3 品質システム(2000年版の品質マネジメントシステムのこと)要求事項と製品要求事項の区別」では次のようにその区分を明確にのべている。
「国際規格であるISO9000ファミリーは、品質マネジメントシステム要求事項と製品要求事項を区別している。この区別により、ISO9000ファミリーはすべての製品を供給する組織に普遍的に適用できる。品質マネジメントシステム要求事項は製品の技術的な要求事項(technical
requirements of the product)に対して補助的な(complementary)ものである。技術的な製品仕様や工程の仕様は、ISO9000ファミリーやガイダンスとは、別なものである。」
ここでいう、「製品要求事項」がコアシステムに関することである。
2.ISO9001:1987 「0.序文」
「この規格、ISO9002及びISO9003の中に規定した品質マネジメントシステムの要求事項は、(製品・サービスに関する)技術的規定事項(technical
specified requirements)を補うもの(complementary)(とって代わるものではない。[not alternative])であることを強調しておく。」
ここでいう、「技術的規定事項」がコアシステムに関することである。
3.ISO9001:1994 「序文」
「ISO9001、ISO9002及びISO9003の規格で規定する品質マネジメントシステム要求事項は、技術的な(すなわち、製品に関する)規定要求事項(technical
specified requirements)にとって代わるものでなく(not alternative)これを補うもの(complementary)であることを強調しておく。」
ここでいう、「技術的な規定要求事項」がコアシステムに関することである。
4.ISO9001:2000「序文0.1 一般」
「この規格が規定する品質マネジメントシステムの要求事項は、製品に対する要求事項(requirements for products)を補完(complementary)するものである。」
ここでいう、「製品に対する要求事項」がコアシステムに関することである。
補完関係とは、2つのものが相補い相乗効果でより向上するという関係である。しかし、監督がいなくてもサッカーはできるが、逆に、監督がいても選手がいないとサッカーはできないように、コアシステムが基本で、それをマネジメントが「支援する」、「支援関係」にあるというほうが正確である。
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